「先月の決算、黒字だったのに…なぜか通帳が寂しい」
これ、あなただけではありません。中小企業の経営者から、最も多く受ける相談のひとつです。
実は、「利益が出ている」と「お金がある」は、まったく別の話です。この違いを知らないまま経営を続けると、気づいたときには手遅れになる。そのくらい重要な話をします。
目次
数字で見る「黒字倒産」の現実
感覚の話をする前に、まず事実を確認してください。
中小企業庁の調査によると、休廃業・解散した企業の約半数が「黒字」の状態で事業をやめています。赤字だから倒産するのではない。お金がなくなるから倒産する。これが現実です。
「なんとなく大丈夫だろう」という感覚で経営している限り、資金が底をつくリスクは下がりません。数字を把握して初めて、経営判断の精度を自分でコントロールできるようになります。
Q: 黒字倒産とは何か?なぜ起きるのか?
A: 損益計算書では「利益が出ている」のに、通帳のお金がなくなって支払いができなくなる状態です。
理由はシンプルです。利益は「計算上の数字」、お金は「実際に手元にあるもの」だからです。
たとえば、こういうことが起きます。
ある建設会社が3月に1,000万円の工事を完了しました。損益計算書には「売上1,000万円」と記録されます。しかし入金は6月末。一方、職人への給与と資材の仕入れは3〜5月に合計700万円の支払いが発生する。
損益計算書:黒字(利益300万円) 通帳:3〜5月の間、お金が足りない
これが黒字倒産の構造です。
利益とお金、何が違うのか
利益=売上 − 費用(計算上の数字)
お金(キャッシュ)=実際に入金・出金されたタイミングの差
売上は「請求した時点」で計上されます。しかし実際のお金は「入金された時点」で初めて通帳に増える。このタイムラグが、利益とお金のズレを生みます。
Q: では経営者は何を見ればいいのか?
A:「利益」と「キャッシュフロー」の両方を見てください。
ただし優先順位があります。
今月・来月のお金が足りるかどうかを先に確認する。 これがキャッシュフロー管理です。次に、事業として利益が出る構造になっているかを確認する。これが損益管理です。
多くの経営者は税理士に損益(利益)の管理は任せています。しかしキャッシュフロー(お金の流れ)は、経営者自身が把握しなければ誰も教えてくれません。
今日から確認すべき3つの数字
難しい財務知識は必要ありません。まず以下の3つだけ把握してください。
① 今、通帳にいくらあるか 全口座の合計残高。これが現在地です。
② 来月末までに、いくら出ていくか 給与・仕入れ・家賃・借入返済など。固定費を月次で把握していない経営者が非常に多い。
③ 来月末までに、いくら入ってくるか 確定している入金(受注済みの入金予定)だけでOK。期待値は含めない。
①-②+③がプラスなら来月は安全。マイナスなら、今すぐ手を打つ必要があります。
この3つの数字を毎月把握するだけで、「なんとなく不安」が「具体的な打ち手」に変わります。
Q: 利益は出ているのに、なぜいつも資金が不足するのか?
A: 以下のどれかに当てはまることがほとんどです。
・売掛金の回収サイトが長い(売ってから入金まで60〜90日かかる) ・在庫や仕掛品にお金が寝ている(製造業・建設業に多い) ・借入返済がキャッシュを圧迫している(利益の計算に含まれないため見落とす) ・設備投資の費用が減価償却で後回しになっている
このうちどれが原因かを特定するには、資金繰り表を1枚作るのが最短です。
まとめ:「利益が出ている=安心」ではない
| 利益 | キャッシュ | |
|---|---|---|
| 何を表すか | 事業の儲け(計算上) | 手元にある実際のお金 |
| いつ動くか | 売上・費用が発生した時点 | 実際に入金・出金した時点 |
| ズレの原因 | 売掛金・在庫・借入返済など | — |
| 誰が管理するか | 税理士に任せがち | 経営者自身が把握必須 |
黒字倒産は、数字が読めないから起きるのではありません。見るべき数字を見ていないから起きます。
Q: 自社のキャッシュフローが健全かどうか、どう確認すればいい?
A: まず「来月末の通帳残高がいくらになるか」を予測してみてください。入金予定と支払い予定を書き出すだけで、問題があるかどうかはすぐわかります。
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